貴方に出逢えたこと。
      それだけで私は幸せなんです。








      Geranium 〜君ありて幸福〜




      「・・・すまない、こんなところで・・・。」

      「いいって。・・・すっきりした?」

      少し赤くなった瞳で、すまなさそうな顔をしたリオンが此方を見上げる。
      でもその表情はどこかすっきりしていて、さっきと比べると晴れやかだった。





      それから落ちついたリオンと共に向かったのはヒューゴという人の書斎。どうやらあたしは記憶喪失ということにされて、帰る場所が分からないのでこの人の下で働くことになったらしい。
      しかもこの屋敷に住まわせてくれるとか。うん、いい人だ。・・・・見た目は、ね。

      話が終わり、書斎をでるとシャルがそういえば・・・と話し出す。

      『さっきのあれは何だったんですか?』

      「あれ?」

      『ほら、さっき坊ちゃんが泣いているときに使った・・・歌、見たいな・・・』

      シャルがそこまで言うと、リオンも興味があるらしく此方を見上げてくる。
      ああ、さっきの・・・。

      「あれは天使術っていって、まぁ言葉のとおり天使のみが使える・・・魔法みたいなものかな。」

      「天使、のみ・・・。」

      「そ。攻撃から回復ま『じゃあ、はやっぱり天使なんですね!』」

      「シャル・・・。人の言葉を遮るなよ。」

      相変わらすお喋りな剣に溜息をつく。あ、すいません・・・というシャルの声の後、今度はリオンが口を開いた。

      「お前は・・・天使なのか?」

      そう言ったリオンの瞳は馬鹿にしているようでもなければ、おかしい人を見るような目でもなかった。何だか、それが純粋に嬉しい。

      「まぁ、そういうこと。詳しく話すと長くなるけど・・・聞きたい?」

      あたしの問い掛けに対してリオンは無言。・・・沈黙は肯定ってことかな。真っ直ぐ此方を見ているリオンに部屋に着いたら話すよといい再び歩き出す。

      「・・・・・・・・おい。」

      「ん?何?」

      「・・・部屋の場所分かるのか?」

      「あ・・・・・・・・」



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