貴方に出逢えたこと。
      それだけで私は幸せなんです。







      Geranium 〜君ありて幸福〜




      あれから、リオンに連れられて着いた部屋はうちとは比べものにならないくらい広くて、広、くて・・・

      「って広すぎだろっ!?」

      「・・・そうか?」

      うあーーっ!この金持ちお坊ちゃまが!
      お前なんてあれだ!今度からシャルみたいに坊ちゃん!ってよんでやる!

      「。」

      「何ですか坊ちゃん。」

      「坊ちゃん言うな。・・・さっきの話、してくれるんだろう?」

      あっ、そういえばそうだった。あまりにもこの部屋が広いから忘れてた。
      シャルからも聞きたいオーラが伝わってくる・・・ような気がする。

      何から話そっかなぁ・・・と呟きながら、あたしの世界―シルヴァラントとテセアラ―を思い出した。此処とはまるで違う世界。あたしが天使だってことは信じて貰えたけど、それは羽のお陰。今から話すことまで信じてもらえるか。

      「・・・・・・・・・・・」

      取り敢えずイスに座ったあたしと向かい合うように座るリオンをちらりと見る。その瞳は何かを待ちわびている子供のようで、出逢ったときの不機嫌な表情よりもずっと似合っていたから

      「・・・ふふっ。」

      思わず笑ってしまった。
      案の定いきなり笑ったあたしに、リオンは訝しげな表情を向けてきた。

      「何を笑っている。早く話せ。」

      「・・・ああ、そうだな。」

      何ていうか。さっきまで抱いてた不安なんてどっかへ行ってしまった。
      リオンとのほんの少しのやり取りが楽しくて、年の近い弟が出来たような、そんな―

      安心。

      逢って間もないはずなのに、まるでずっと昔から一緒に居るような。
      リオンを抱きしめたときに感じた温かさ。それは母さんや父さんと一緒にいるときのようだった。



      **



      「とまぁ、こんな感じ。」

      それからあたしはリオンに全てを話した。
      シルヴァラント・テセアラのとこ。
      あたしの両親のこと。
      天使のこと。

      エクスフィアのこと―――


      『「・・・・・・・」』

      全てを話し終わり、リオンの表情を覗くとそこには案の定訳がわからない、といった感じ。でも、疑ってはないみたいだ。唯訳が分からないという顔。
      あたしは内心その表情に安堵した。いくらさっきのやり取りで吹っ切れたといっても、やはり不安は残っていたらしい。

      少しの沈黙の後、あたしはリオンを一瞥してから自分の右手の甲―エクスフィアがついている部分―にそっと空いている左手を重ね、口を開いた。

      「このエクスフィアも、誰かの命を犠牲にして作られたんだ。」

      「!」

      やはり、というかリオンは異世界云々よりもこのエクスフィアについて考えていたようだ。
      まぁ当たり前、か・・・。






      「お前は・・・。」

      暫くの沈黙の後、リオンが口を開いた。

      「お前は、自分の為に誰かが犠牲になることを許せるか?」


      あ、あれ?何だか話がぶっ飛んでませんリオン君?
      思わずそんなことを言いそうになるが、真剣なリオンの表情に何とか押さえ込んだ。

      それにしても自分の為に誰かが犠牲に、か。
      まるで昔の母さんみたいだ。父さんがいるあの世界を守る為に―――――

      あたしの答。そんなの決まってる。


      「あたしはそんなの許さない。何としてでも解決策を見つけ出す。・・・父さんがそうだったようにな。でも、こんなこと言っといてエックスフィアに頼ってるなんて、唯の偽善者だよな。」


      そう言い放ったあたしの顔はどんなだったんだろう。





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      シンフォニアの内容思い出せない〜><